2015年6月27日土曜日

Буран × 吹雪


 今回は珍しく,LEGOネタ以外の創作です.

 最近「吹雪」という歌を聴く機会がありました.
 その歌詞があまりにもソ連版スペースシャトル「ブラン( Буран=吹雪)」に当てはまっているように感じてしまい,つい勢いでブランのPVを作ってしましました.

 また,まさかのプログレス補給船の事故により,以前から死ぬほど楽しみにしていたバイコヌール宇宙基地見学(こちらについてもBlogを執筆予定)が延期になってしまい,フラストレーションを創作にぶつけたかった,という理由もあります^^;

 もしご興味を持って頂けましたら,下記ブランPVと解説をどうぞ.
 動画作りは初めての上に,けっこう個人的な感傷をぶつけてしまっている所もあり,至らないところがありましたら申し訳ないです.

● Буран × 吹雪 1.01


 ソ連版スペースシャトル,ブラン(吹雪).かつて歴史の陰に消えていったもう一つのスペースシャトルがありました.
 冷戦末期にこの世に生を受け,ただ一回の試験飛行を成功させるも,その後自由に飛ぶことなく潰えた悲しみの宇宙機.
 小さいころ,毛利衛飛行士の飛行に感銘を受け,宇宙図鑑でシャトルとブランが並ぶ姿に憧れた筆者としては,特別な感情を抱いてしまします.

 ブラン開発までの経緯と,最初で最後の飛行,そして潰えてしまう計画.
 しかし世界中に受け継がれるバトン.
 志半ばで潰えた,世界中の有翼宇宙機への思いを込めて.

 (歌詞との一致も重要なので,是非こちらも併せてご覧ください)

Password : buran

Буран×吹雪 1.01 from けいけい on Vimeo.


● 各シーンの解説


 歌詞(ここでは「緑色の文字」で抜粋)も一応解釈できるようになっており,
「君」は「動画を観る人がブランを呼ぶ」ようにも解釈できますし,
「ブランが一緒に時代を歩んだ人(技術者,もしくは動画に入り込んだ貴方自身?)へ歌いかけている」
ようにも解釈できるよう意図しています.

<宇宙開発競争の歴史>
【0分14秒~】
 アメリカ・ソ連の宇宙開発競争の歴史をざっくりとまとめました.ブランの開発もこの対立の延長線上にあります.
①スプートニク1号(ソ連・初の人工衛星)
 
②ボストーク宇宙船(ソ連・ガガーリン飛行士による初の宇宙飛行)

③アポロ着陸船(アメリカ・初の有人月着陸)


<アメリカの輝かしい宇宙基地,シャトル計画へと至る道>
【0分25秒~】
 空と海が輝かしいアメリカの宇宙基地.
「青い海 広がる」「光る磯波 越え 叢雲の空眩しい」
 この描写は,荒野(バイコヌール)にあるソ連の宇宙基地から見た憧れや,焦りのような感情を表します.
 

【0分30秒~】
 アメリカのダイナソア計画.軍事ミッションの色合いが強いものでしたが,有翼宇宙船(翼の付いた宇宙船)という意味では,後のスペースシャトルへと繋がるものでした.


【0分36秒~】
 スペースシャトルは,従来の使い捨て式ロケットから一歩を踏み出し,ロケットの再利用によるコスト削減を狙った革新的な宇宙船でした.
 シャトル計画開始の発表は1972年,運用終了は2011年.
 様々な問題を抱えてはいたものの(※2),宇宙船と言えば多くの人がシャトルを連想するほど有名な宇宙船でしたね.
 

<ソ連での有翼宇宙船の開発,ブラン計画へと至る道>
【0分47秒~】
 ソ連でも様々な有翼宇宙船の研究・開発が行われていました.
 本動画で取り上げたのはスパイラル計画.ダイナソア計画に対抗する形で計画がスタートしました.
 こちらも軍事ミッションの色合いが強かったこともあり,開発は極秘裏に進められました.
「言葉選んで 瞳伏せても…」
 

【0分55秒~】
「...見えない 明日も 君の笑顔も!」
 微笑むガガーリンと,シャトル型の風洞試験模型.
この写真がいつ撮られたものかは不明ですが,ガガーリンが亡くなったのは1968年.
興味深いことに,アメリカのシャトル計画開始の発表(1972年)より前の写真となります.(※1)


【1分00秒~】
「白く 白く 吹雪のような」
 ソ連版スペースシャトル,ブラン(Буран = 吹雪).
 シャトルに対抗する形で開発が進められました.(※2)その白く輝く姿はまさに吹雪.美しいです.


【1分10秒~】
「強く 強く 願いは強く」
 ブランを背負う,人類史上屈指の強力なロケット「エネルギア」.下から見ると噴射口の数がすごいことになっています^^;
 シャトルとブラン最大の相違点は,シャトルが宇宙船そのものにエンジンが付いたロケットであるのに対し,ブランは使い捨てロケットに背負われる形で飛んでいく点です.
(ただし,中央のロケットを取り囲む4本のブースターは再利用可能)
 この構造により,ロケットの再利用率は低下する反面,開発は容易になり,エネルギアをロケット単体としても活用できることから,応用・発展の幅が広がります.(※3)


【1分19秒~】
「信じる優しい未来へと」
 シャトルとブランが活躍する未来…叶う事はありませんでしたが,このシーンには幼い頃の個人的な憧れをぶつけています.


 「吹雪」には他にも
「戦の日 それは きっと全てではなくて 帰り道 見失わぬよう」
「静かな優しい海へ」
といった歌詞があり,PVとしても重視した構成です.

<ブランの離床,最初で最後の飛行>
【1分37秒~】
「水平線 陽が落ちて 夕焼け 君を染める」
 バイコヌールの夕暮れ.星の世界へ開かれた荒野の港町を,壮大な夕焼けが包みます.


【2分11秒~】
 1988年11月15日.
 この日,無人のブランが打上げられました.
「呼吸 揃えたら 飛沫の中へ!」
 20基もの噴射口が一斉に火を噴き,途方もないエネルギーを開放しながら,エネルギアロケットがブランを背負い飛び立ちます.
 
戦の日 それは きっと全てではなくて 帰り道 見失わぬよう「見失わぬよう」で炎が強く輝きます.
 


【2分29秒~】
「繋いで この手を 帰るよ 明日に」「きっと懐かしい あの場所へ」
 ブランは地球を2周し,予定通り大気圏へ再突入.バイコヌール宇宙基地内のユビレーイニィ空港へ着陸しました.
(こちらの空港については,バイコヌール宇宙基地見学の際,思わぬご縁がありました.後ほどBlogを執筆予定.)
 ブランが帰ることを夢見た「明日」「懐かしいあの場所」とは,いったいどんな世界だったのでしょうか…
 

<ブランの運命>
【2分44秒~】
 無事帰還を果たしたブランを待ち受けていたものは,あまりに悲しい運命でした.
 国の崩壊と予算難により,計画は中断,ブランは古い整備棟に幽閉されます.
 
「時の嵐の中で 舞い散る花の涙」
 中断されてしまったブラン運用計画(宇宙ステーション「ミール2」の組み立て)や,ブラン後継機の計画(発展版の完全再利用型「エネルギアII」※4)が描かれます.
 
 
「向かい風」
 ここでは,予算難を象徴する,信じがたい程老朽化した施設(※5)が登場します.

「今宵 花吹雪」
 このシーンは,散ってゆく宇宙計画と,ブラン倒壊に繋がる嵐(※6)を示唆しています.(写真は吹雪の中打ち上げを待つソユーズロケット)
 「時の嵐の中で今 舞い散る花の涙 向かい風 今宵 花吹雪」美しく歌われてはいますが,とても恐ろしい歌詞です.


【3分08秒~】
 ブラン倒壊(※6)のシーンは,それを知った瞬間,頭の中が真っ白になったあの感覚を何とか表現しようと試みました.せめて安らかに眠ってほしい.
「積もる 積もる 白雪みたいに 優しく透き通る時間のような」
「初雪みたいに  忘れないよ 一瞬を」

 


<現在に受け継がれるバトン>
【3分30秒~】
 鼓動の効果音と共に,スパイラル計画と,エネルギアのエンジン(ブースター用のRD-170)がフラッシュバックします.
 スパイラル計画の宇宙船は,非常に意外な形で現代に蘇ろうとしています.
 また,RD-170エンジンは,史上最強のパワーを持つエンジンとして未だに活躍しています.
 

【3分33秒~】
「深く 深く 深雪のような」
 純白のゼニットロケットの打ち上げ.
 このロケットはエネルギアのブースターをそのまま活用したもので,現在でも活躍しています.
 上段ロケットが付けられており,打ち上げ能力は日本の主力ロケットH-IIAより僅かに低い程度.(ブランの打ち上げでは,中央の巨大なロケットに加えて,こんなロケットを4本も「ブースター」として束ねていたわけです.エネルギアの名は伊達じゃない^^;)


【3分40秒~】
 ロシアの新型ロケット「アンガラ」.こちらにもエネルギアのエンジンを改修したRD-191が使われ,幅広く旧式のロケットを置き換えるものとして期待されています.
 しかしアンガラには,ゼニットがウクライナのロケットであることから,両国のトラブルにより純ロシア産を目指したという側面もありました.
「そう 始まる前から知っていた この痛み 今なら もっとずっと 深く」
 ソ連~ロシア宇宙機の一ファンとして,複雑な思いを込めました.


【3分47秒~】
 主にアメリカ空軍の衛星打ち上げに使われるアトラスロケット.冷戦時では信じられない話ですが,このロケットにもエネルギアのエンジンを改修したRD-180が使われています.
「強く 強く  思い紡いで!」
 冥王星探査機「ニューホライズンズ」もこのロケットで飛び立ちました.
 紡ぎ出された思いは,遥か冥王星まで.


【3分51秒~】
 スパイラル計画とドリームチェイサー.
 ドリームチェイサーとは,NASAが推し進める民間企業による宇宙船開発に名乗りを上げた企業の一つ,シエラ・ネヴァダ社が提案する宇宙船で,元となった宇宙機の設計に,スパイラル計画の試験機を分析した結果が生かされていたそうです.(※7)
 
 まさかこんな形で復活の可能性が出てくるとは!
 しかも打ち上げには,エネルギアのエンジンを活用したアトラスロケットが想定されています.
「静かな優しい海へ きっと届け」


<ラスト>
【4分01秒~】
 幻想的なISS(国際宇宙ステーション)の画像では,よく見るとシャトルとブラン両者が飛んでいます.
 静かな海に届いてほしいという想いと,失われたブラン,事故により旅立ったシャトル2機と,その飛行士たちへの思いも込められています.


【4分04秒~】
「君へと届け」
 ラストは,志半ばで挫折した歴史上の有翼宇宙船達がフラッシュバックします.
①「ゼンガー(シルバーフォーゲル=銀の鳥)」大戦中ドイツにおける,ゼンガー博士の宇宙飛行爆撃機構想.戦後,アメリカのダイナソア計画に影響を与えました.

②「NASP(X-30)」アメリカで構想されたスペースプレーン.

③「エルメス」欧州宇宙機関で構想された小型シャトル.

④「HOTOL」イギリスが開発していたスペースプレーン.

⑤「HOPE」日本で構想された無人シャトル.名前はH‐II Orbiting Planeから.
 H-IIロケットで打ち上げ予定でした.幼い頃はこれが未来だと思ってました...(;_;)

⑥「X-33」アメリカにおける,シャトル後継機開発のための実験機.

⑦「クリーペル」ロシアが提唱していた次世代有人宇宙船.
 写真の背後にはブランの試験機が.


【4分08秒~】
 最後の「宇宙機これくしょん」ロゴは,元の歌に敬意を払ったパロディーです.
 ロゴの上にはブラン,下には地上局のアンテナ,周りを取り囲むのはオリーブの葉(アポロが平和の象徴として月へ持って行った物).
 雪が舞っており,結晶一つ一つは形が異なっていて,世界中の宇宙機を表しています.

 ブランを知らない人にも,とりあえずシャトルの形により,宇宙系のロゴと伝わるよう意図しています.
 また,宇宙機はそれ単体で活躍できる訳ではなく,地上から飛行を支える人々や,管制施設,応援する人々の力があってこそです.宇宙機と地上を繋ぐパラボラは,その象徴です.
 オリーブの葉と,一つ一つ結晶の形が異なる雪たちは,世界中の多様な宇宙機の活躍を切に望む姿勢を表します.

● 補足・参考文献


※1)スペースシャトルとブランの形状
 ブランとシャトルは形がそっくりですが,この写真を見ると,大まかな形については,やはり両国とも独自の研究で同じ形にたどり着いたようですね…
 ただし,ソ連の場合は様々な設計局(研究開発や製造を行う組織)が有翼型宇宙船を開発していた(※8)ため,この写真の研究がブラン計画に活かされたかどうかは断言できません.
 尚,ブランには明らかにシャトルを模倣した部分も多くあります.これについては,アメリカと同等の物を作れる技術・ノウハウを習得すること,また,極力シャトルのデータを参考にすることで開発コストや期間を縮減すること等の目標もあったのかなと思われます.(※9)

※2)ブランが開発された理由
 意外なことに,当初ソ連の技術者の中では「アメリカ式のシャトルは再利用しても採算が合わない」という試算があったそうです.結果論で言えばその試算は正しく,シャトルの退役へと繋がってしまいます.
 それでもブランの開発を進めた経緯としては,やはり冷戦下だったことから,シャトルを軍事利用される可能性に対して,上層部の過度な恐れがあったためと言われています.
 (※8,※9)

※3)シャトルとエネルギア/ブランの打ち上げ方法の相違点と,エネルギアの強み
 シャトルとブラン最大の相違点は,シャトルが宇宙船そのものにエンジンが付いたロケットであるのに対し,ブランは使い捨てロケットに背負われる形で飛んでいく点です.(ブースターについては,パラシュートで回収することにより再利用可能)
 この構造により,下記のような利点が考えられます.
・再利用する部分が少ないことから,開発の難易度が下がること.
・ブラン以外の物も打ち上げることができること.
 実際にブラン打ち上げの前に,ポリウスと呼ばれる軍事衛星を用いて打ち上げの試験が行われました.
・束ねるブースターの数を増やし,上段ロケットを追加することで,さらなる大型ロケットへ発展できること.
 このロケットはヴァルカン(Вулкан = 火山)と呼ばれ,175tを軌道へ投入する能力が見込まれていたとのことです.
 ちなみにアポロ計画で使われたサターンVロケットで118t,現在NASAが開発している月,火星飛行用の超大型ロケットでさえ130t.
 「お前らはどこまで飛んでいくつもりだったんだ^^;」と称賛したいです.
・再利用する部分が少ないことから,打ち上げ毎の改善(設計の変更など)が容易と推測されること.
 私見ですが,ロシアの宇宙開発ではソユーズに代表されるように「最初はざっくりと伸びしろのある物を開発し,飛行の実績を積みつつ,じわじわと改良してゆく」という手法が得意なように思われます.
 ひょっとすると,エネルギアも同様に実績と改良の積み上げ,という道を辿ることになったかもしれません.
 また,この改良の先に,将来的な構想として完全再利用型の構想もありました.(※4)

※4)完全再利用型エネルギアについて
 将来的な構想として,エネルギアIIと呼ばれる,エネルギア/ブランの技術を発展させた完全再利用型ロケットの計画もありました.(愛称はУраган = ウラガン,ハリケーンの意味)
 中央のロケット,周囲のブースター4本全てに翼が付いており,飛行場に帰還することで,シャトルでも成し得なかった完全再利用を実現する計画でした.
 4本のブースターが整然と滑走路に無人着陸する光景…凄まじいですね^^;


※5)PV中に登場した老朽化した施設について
 こちらの写真は2012年に撮られたもの.ロケットやミサイルのエンジンを製造しているエネルゴマッシュに潜入した女性(フェンスを乗り越えて勝手に入ったらしい.学生さん?)が公開した写真です.
 公開された写真を見ると,その中には今は使われていない設備もあるのでしょうが,かなり老朽化した様子がうかがえます.
 警備もっとしっかりせい...とか言う以前に,今も予算難にあえぐロシアの宇宙開発.もっと予算付けてあげてください(;;)
 PVで使用した写真は,老朽化した施設の壁に描かれた絵が写っています.地球と月,そして月まで飛ぶための軌道が図案化されているようです.
 参考URLはこちらをどうぞ.
ギズモード・ジャパン ロシア軍用ロケット工場に潜入・撮影した女子(写真多め)
http://www.gizmodo.jp/2012/01/post_9853.html


※6)ブラン倒壊の経緯
 ブランは2002年5月12日,整備棟の倒壊に巻き添えになる形で最期を迎えました.
 倒壊の原因としては,下記の要素が挙げられます.(※9)
・そもそも整備棟は,有人月飛行計画が進められていた時代にN1月ロケットの整備棟として建てられたもので,築40年以上が経過していたこと.
・普段雨の少ない乾燥したバイコヌールにおいて,2002年は例年より降雨量が多く,排水システム(スポンジにより吸水,晴れた日に蒸発)がそれに対応しきれず,屋根に過大な力がかかったこと.
 PV中では,私の記憶違いにより「老朽化と『嵐』」により倒壊としてしましましたが,正確には「老朽化と異常な降雨」が正しいです.申し訳ありません.

※7)スパイラル(スピラーリ)計画とドリームチェイサーの関係については,こちらの記事をご参照下さい.
『他ならぬNASA自身が「HL-20のアイディアはBAR-4から来ている」と述べている』
マイナビニュース 小型スペースシャトル「ドリーム・チェイサー」-半世紀の夢を追い続けて http://news.mynavi.jp/articles/2014/10/18/dream_chaser/001.html

※8)ブラン計画について,こちらのサイトがとても分かりやすく,参考になります.
スペースサイト!ロシア宇宙開発史 スペースシャトルスキー(1)
http://spacesite.biz/ussrspace35.htm

※9)ブラン計画について,こちらのサイトがとても分かりやすく,参考になります.
sorae.jp エネルギア・ブラン、最初で最後の宇宙飛行から25周年
http://sorae.jp/030201/5044.html

※10)ブランを建造したモルニア社のホームページです.
NPO MOLNIYA
http://www.buran.ru/

※11)その他
◇動画の題名に入っている「1.01」は,お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが,動画のバージョンを表すとともに,実際に飛行したブランの機体番号でもあります.(試験機や2号機には異なる番号が振られています.)
◇【2分11秒~】の一斉に火を噴くエンジンを下から写した動画は,実はボストークロケット(ソユーズファミリーの一つ)の物です.気に入っていたので確信犯的に使ってしまいました.ごめんなさい^^;

● 追記


 2015年1月14日,ドリームチェイサーが国際宇宙ステーションへの輸送船として選定されたとの報道がありました!
 2019年後半から飛行の予定だそうです.いやーこれはめでたい!

 これは,民間企業による無人輸送契約(第二期)として,NASAにより選定された提案の一つです.
 第一期では選定から漏れてしまい,このまま飛ぶことは叶わないのではないか...と思われていたのですが,この度無事採用されました.

 しかも打ち上げ手段として,アメリカの「アトラスV」ロケットに加え,欧州宇宙機関の「アリアン5」ロケットも検討されているそうです.(一時期は日本のH-IIシリーズへの打診もあったようなのですが,その話は流れてしまったようですorz)
 動画で取り上げたとおり,アトラスVにはブランを打ち上げたエンジンの派生形「RD-180」が活用されており,アリアン5,そしてH-IIにはかつて小型シャトルを打ち上げる構想がありました.

 ブランの姉スパイラル.50年の時を越えて,その血を引いた「夢追い人」が宇宙に挑みます.挫折していった宇宙機の分も活躍を期待したいです.

◇NASA、国際宇宙ステーションへの物資輸送で3社と契約 - 1社は小型シャトル | マイナビニュース
http://news.mynavi.jp/news/2016/01/15/555/

◇小型スペースシャトル「ドリーム・チェイサー」の数奇な運命(前編) - ロシアより愛をこめて (1) 夢追い人、ついに宇宙へ | マイナビニュース
http://news.mynavi.jp/articles/2016/01/20/dreamchaser/

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